11月30日 世代交代の香り
   ポーランド0ー2アルゼンチン

 試合前にアナウンサーが「これはレバンドフスキとメッシの対決になります」と声を張り上げていた。メッシは164試合とアルゼンチン代表歴代最多出場者で90得点を記録。レバンドフスキもポーランド代表として134試合出場、76得点を挙げている。彼は今年の夏バルセロナに移籍。メッシがいなくなったスター不在のクラブにおける救世主のような存在である。

 蓋を開けてみたら、メッシはポーランドのGKシュチェスニーに阻まれまくる。7分、13分、そして39分にシュチェスニーに顔を叩かれたメッシはPKを獲得するが、やはりGKに阻まれる。後半もシュートがことごとくシャットアウトされる。

 ボール占有率73%なのに決められないアルゼンチン。そのもどかしさを取り払ったのは、後半開始直後のマクアリステル(23歳)のシュートだった。メッシ発モリーナ経由のボールを見事にネットに叩き込む。サイドから正面への連携が上手くいっていた。22分メッシのシュートが阻まれた直後にボールをつなげて、フェルナンデス(21歳)からのパスをアルバレス(22歳)がまた正面から決めた。

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          歓喜のアルバレスとフェルナンデス
 シュート数はアルゼンチン26対ポーランド4、そのうち枠内は11対0。要はゴールゲッターのレバンドフスキに仕事をさせないほど中盤で若手がボールをカットし、アルゼンチンが攻め続けたから。添付は選手の動きを記録したヒートマップである。ポーランドがアルゼンチン陣地で何もできなかったことがよくわかる。
ヒートマップ、ポーランド_アルゼンチン
    ©️goal.com

 試合終了後、あるカメラが
レバンドフスキとメッシの内緒話をずっと追っていた。何を話していたのか知りたいなあ。

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11月27日 まだできることはあるか
   日本0ー1コスタリカ

 油断していたとしかいいようがない。好機は数度あったが、決められなかった。敗因はいくつかあったが特に気になったことを。

 1トップの上田の動きが今一つだった(だから途中交代になった)。相馬のシュートは精度が悪かった(でも打たないよりはよい)。長友に代わって入った伊藤洋輝はラインを管理すべきだったがそれができなかった。途中から吉田麻也が上がりすぎた。そしてコスタリカのシュートを招いた吉田のクリアミス。彼は時々やってしまう。私が覚えているのは2014年W杯前のコンフェデ杯の対イタリア戦でやらかしたやつ(4'56 "あたり)だ。個人を非難するつもりはないが、改めるべきは改めねばならない。

 一方で賞賛すべきは、コスタリカのGKナバスだ。普通なら立ち直れないような対スペイン戦の7失点が、まるでなかったかのように今日は堅守を見せた。さすがパリ・サンジェルマンのキーパーだけある。控えだけど。

 さて、なすすべはあるのか。本日この後にあるドイツ―スペイン戦でスペインに勝ってもらう。12月1日のドイツーコスタリカ戦でドイツが引き分けあるいは1-0とかで勝って、下位チームでつぶしあってもらえれば得失点差でなんとかなるかもしれない。でも目指すべきは、ナバスだ。他力本願でなく自力で這い上がろう。日本がスペイン戦で数点取って、引き分け以上になるのだ。いまの日本代表は正直華やかさに欠けるけれど、歴代でメンタルもフィジカルも一番強いと思っている。ドイツ戦の奇跡をもう一度頼みます。




 


                                              


         




 


 




 

アルゼンチンーメキシコ戦(2−0)。オチョアが泣いた。そしてデンマークーフランス戦(1−2)。民放のオンエアはないが重要な試合が続いた夜。Abemaに感謝する。

11月26
日 時速36キロ男が覚醒した
   デンマーク1ー2フランス

 フランスは今回ヤバいと言われていた。4年前の優勝立役者であるカンテとボグパが故障で出場を断念。さらにエムバペと2トップを組むベンゼマも怪我から復活できず。ヴァランヌ、チュアメニといった中盤も故障を抱えたまま出場している。しかし11月22日初戦のオーストラリア戦では、そんなヤバい予想を裏切り、1点先制されてから前回王者に火がついた。カンテの代わりのラビオ、ベンゼマの代わりジルーで3点、そしてエムバペ1点の計4点でオーストラリアを振り払った。

 そして今日のデンマーク戦。フランスは前半15分から20分間攻勢をかけるがジルーはヘディングを外しまくり、ラビオのヘッドもGKシュマイケルに阻まれる。空回り。そんな言葉がぴったりだった。

 後半11分それまで気配を消していたエムバペが走り出す。デンマークDFを3人置き去りにしたその走りは、最高速度44.7km/h、 平均で時速36kmを誇る男のものだった。ゴール前でも2人かわして放ったシュートは、またしてもGKによって阻まれたが、これがエムバペが覚醒した瞬間だった。
 その後フランスは波に乗り、16分にエルナンデスとの連携プレイでエムバペがゴールを決める。デンマークのクリステンセンに同点にされた後も、エムバペはピッチを走り回り、最後はグリーズマンからのナイスパスを太ももで対応、ボールはネットを揺らした。
エムバペ中日

 フランスは、ヤバい。とてもヤバい。あと1試合を残しながら一番乗りで決勝トーナメント行きのチケットをゲットした。12/4にフランスとあたるC組2位はどこになるのだろう。11/26現在アルゼンチンは、勝ち点でポーランドに次ぐ2位である。フランスと当たるのを避けるために、アルゼンチンが、いやC組全体が第3戦を死に物狂いで戦うことが予想される。エムバペの覚醒は、ヤバい形で伝染した。


 


                                              


         




 


 




 

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