韓国ドラマを見ていると、主人公がインスタント麺やスンドウブチゲ(お豆腐のチゲ鍋)を料理で使った鍋からそのまま食べるシーンがよく出てくる。「はしたない」「若いって凄いな」見る度に思っていたのだが、まさか自分がこの歳になってすることになるとは思ってもいなかった。
理由は二つある。インスタント麺を買って作ったから。ここべトナムではもの凄い数のインスタント麺がある。スーパーマーケットの1コーナー、長さにすると15m分くらい。タイやインドネシアからのものを足すと200種類はあるだろう。値段も20円から高くても70円程度。日本発べトナム観光ガイドのお土産おすすめ品にもインスタント麺が掲載されているので訪ねてくる人に「これ、美味しいんですか?」と聞かれて答えにつまり、うそをつくのはいかん、まずは試そうと買ってみたわけだ。
買ったからといって鍋から食べなくてもいいだろうと思われるあなた、正解。2つ目の理由だが丼の器がないのである。ホーチミンに着任して3か月、日本からの荷物がまだ届かない。いま住んでいるのはサービスドアパートメントというところで家具や家電、ディナーセットやワイングラスなど西欧人が住むための最小限のものが揃えてある素敵な環境。しかし。丼はない。買えばいいでしょうとおっしゃるあなた、正解。決して高いものでもないし。でも、日本を引き払うとき自分が保有していたモノの多さに我ながら辟易していた私は、ここホーチミンで、できれば最小限のもので暮らす生活をしてみたかったのだ。もし船便が届けば、お気に入りのワイングラスとウイスキー用グラス、日本酒用のお猪口、漆器のお椀と箸置き、 伊賀焼の丼が届くはずだから。ねじれたプライド。
さて。東京でも20年以上食べていないインスタント麺を幾つか試してみて、いけるなと思ったのはエースコックのフォーである。海鮮味。あなどれませんよ、これは。 ただやっぱり鍋から食べていると、心がささくれ立つような気がしてきて、遂に本日、器を買っちゃいました。外は白くて、中が水色のかわいいお丼。街の露天商で、片言のベトナム語でやりとりして2つで500円。ベトナム語の新聞紙に包んでくれました。ね、伊賀土楽にも負けてないでしょ。
コメント
コメント一覧 (1)
「最小限のものでくらす生活」←私も昔はそのつもりでした。
でも気がつくと、とんでもなく物は増えてくるものです。
こちらのアパートも家具や電化製品付きが普通なのですが、
なんとも大家のセンス悪過ぎだったので、家具もオーダーしたり(こちらでは安い)家電も買い替えたり。
またカメラの周辺器材(サンプルも含め)も増殖し過ぎてしまい、私のベットルームは倉庫のようになってしまいました。
それにしても、船便が三ヶ月経っても届かないとは、ちょっと長過ぎ。