真っ赤な口紅を数日つけてみた。20数年前、今井美樹が資生堂のCMで真っ赤な口を広げてがははと大笑いしていた(下までスクロールしてくださいね)のが印象に残って自分もつけてみた時以来だ。当時飛ぶ鳥を落とす勢いだった女子大生雑誌JJも後押ししていたけれど、なにせ日本人の肌にはちょっと。数ヶ月で真っ赤なブームは終わったと記憶している。
なぜ今さら赤をつけたかというと、理由は簡単。手持ちのなじみのピンクベージュが底をついたから。お恥ずかしい話だが3か月ほど前にハノイから戻る飛行機の座席に化粧ポーチを忘れた。座席番号もわかっていることだし、人の使った化粧品なんて誰も使わないだろうから絶対あるだろうとベトナム人スタッフに電話で聞いてほしいとお願いした。なかった。ちなみに中身はなんだったんですかと聞かれCHANEL、DIOR、,SHISEIDOのxxと答えたら「Masako-san, それは無理です。今頃CAが使ってます」と真顔で返された。え...。まあベトナム航空のCAについては項をあらためて。この人たち綺麗なんだけど、笑えます。
ベトナムで同じものを買い揃えるのもシャクだし(何せ高い!海外の化粧品はベトナムじゃめっちゃ高い)、ちょっと前に東京から母が遊びに来たとき「これあなたからもらったけど、この年だと派手な色もう使わないから。こっちだと使えるんじゃない?」と渡されたLANCOMの化粧パレット(8cm x 12cmほどの小さな2段重ねのパレットに、口紅3色、パウダー、アイシャドウ6色、アイペンシルが弁当のように詰まっている)を使いはじめた。一部の男性諸氏はああ!と思いあたるでしょう、貴公がよくJALやANAの機内で奥さんや彼女にお土産で買っていたアレですよ、アレ。ココだけの話、色が派手めなのであまり使われないのが現状。タンスのこやし系です。私の場合も使わず残っていたものだが高価なのは知っていたので、母にあげたらブーメランのように戻って来て、究極的に私の顔作りをここベトナムで救ってくれたわけだから、昔くださった男性には心からの感謝をお伝えしておきたい(読んでないと思うけど)。
LANCOMパレットにある淡いピンク、淡いプラム系の2色を混ぜて使っていたら先週末シンガポールでついになくなった。シンガポールの数日は、朝から深夜までスケジュールがびっしりで買いに行く暇もないし気心知れた仲間たちとのミーティングなので見た目を今さら気にする必要もないし新しい口紅はシンガポール出るときチャンギ空港で買えばいいや、と唯一手つかずだった真っ赤をつけて3日間過ごしました。しかし。シンガポール出国の際にトラブルが起きて一時間近く足止めをくらい買い物の暇、ついになし。そのまま赤いお口のまま飛行機に乗り込みました。
さてベトナム航空機内。食事、牛にしますか魚にしますか。CAがベトナム語で聞いてくるではないか。こちらにきてかなりの回数ベトナム航空に乗っているがいつも英語。ベトナム語で話しかけられたのは今回がはじめてでした。その後違うCAにもお茶飲みますか、とベトナム語で。どうやら濃いめの口紅をつけているとベトナム人に見えるらしい。ちなみにベトナム航空のCAは、皆さん白い肌に濃いめの口紅をくっきりつけていらっしゃいます。
翌日赤い口紅でオフィスに行く。打合せ早々、いつもセクシー系の格好をしているベトナム人女子から「Masako, 今日はリップがすごくいい」と言われる。はじめて。帰りのエレベーターでベトナム人男性に「xxxxxxxx」と話しかけられる。ごめんなさい私ベトナム語できません、と返したら英語でお茶でも飲みませんかと言ってくる。おっと、ベトナム人男性から初ナンパである。私あなたのお母さんくらいの年齢ですよと返すのもかわいそうなので、おなか空いてるからまた今度ね、とかわす。その翌日、オフィスで唯一いちども言葉を交わしたことのない女子(前に話しかけても見事にスルーされたので、この人は私のことが苦手なんだと思っていた)がつかつかと私のところに来て何を言うかと思ったら「Masakoさん、今日はとても美しい」と一生懸命英語で言ってくれるので、うれしくて泣きそうになった。そのあと、彼女が言いたいことをベトナム語で紙に書いてもらってgoogle翻訳したところ、どうやら英語が苦手なので私と話すのが面倒だったらしい。すごいぞ、赤の力。
社会主義のせいかどうかわからないけれどベトナム人はとっても赤が好き。CanCam風にいえば、赤いリップ一本でベトナム人に愛され顔♡。しかしトイレに立つ度に鏡にうつる自分の顔をみて「これやっぱり昭和だわ」と感じるのにも疲れて来たので、やはり元のベージュ系に戻すことにします。タイミングよく、誕生日祝いに東京から口紅が届いたので。神様ってやっぱりいるのかな。(写真はcuteなmacaron. Singapore一番人気の紅茶ショップTWGのものです♡)
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