プノンペンの道路を走る3台に1台がレクサスだった(注:筆者の皮膚感覚です)。
プノンペン美術館

 Why Japanese Lexus? 厚切りジェイソンではないが、ご存知のようにレクサスはトヨタが誇る高級車である。日本で買っても400万から上位クラスだと1000万円超だというのに、なぜ一人当たりの年収が1100ドルのカンボジアでたくさん走ることができるんだろう。

 滞在中カンボジア人数人に聞いてみました。「だってトヨタは壊れないし、信じられる」それはわかる。世界中そう思ってますよ。でもさ、なんでレクサス?「なんでだろう?まずセダンよりは、大きいクルマがいい。仕事に使えるから」 うーん、まだ納得できない。

 よく観察してみるとSUVクラスのRXや、LXしかもLX470が多い。
lexus Cambodia
しかも2000年前後にみたようなゴロッとしたタイプであります(オタクですみません)。そもそもこういった中古車をどこで買うのか?アフリカだと個人業者から、ロシアだと犯罪がらみでトヨタのバンを買うことがあると聞いたことがあるけれどプノンペンの場合、その比じゃあございません。もっと大胆な組織でないとこの台数は無理です。

 答えは意外なところにありました。所有者である氷屋のおじさんはトヨタのショールームで買ったとおっしゃる。3万USDで。この周辺国の水準からすると、安い。調べてみるとトヨタカンボジアでは、中古車レクサスをショールームで展示し販売しているらしい。より安くクルマを買いたいという消費者の願いと、きちんとメンテナンスのされてないクルマを売る不正な販売業者に対処するためである。カンボジアは、左ハンドルなのでレクサス大国アメリカからの中古車がちょうどいい。ちなみにベトナムでは、北のハノイでNewモデルのレクサスをたくさん見ることができます。ナンバープレートから判断すると、党の人たちが所有者ということになります。余談ですが。

 さて。レクサスが溢れるほどカンボジアは金持ちの国になったのか。経済成長に伴い中間層は増えているし、金持ちも確実にいらっしゃる。ある晩ホテルの人に紹介してもらった隠れ家レストランに行ってみた。実に美味。ただ周りから聞こえてくる言葉は、中国語であった。北京語と広東語?とっても暑いのに、赤ワイン開けてるし。カンボジアも美味しいとこは華僑が牛耳っているんだなあ。

 プノンペン市内をドライブしていてもう一つ気になったのは、軽トラックの荷台に立ったままで運ばれていく女性たちの姿。黒髪の人やヤンキーっぽく金髪にした女性たちが30人くらいひしめいている。まるでドナドナだ(わからない方はググってくださいね)。写真を撮ろうとしたが、荷台のひとりの女性と目が合ってしまった。撮るのを止めた。工場で働く人を運んでいるトラック。私がプノンペンに着く1日前に、このトラックが横転して死亡者と怪我人がかなり出たと現地の英字新聞で読んだ。
 
 カンボジアには学校で習わない、いや習えないことがたくさんある。