2017年02月

  観てきました "Fifty Shades Darker" 。2015年全世界でヒットした女性向けR指定映画 "Fifty Shades of Grey" の第二弾。Greyについては以前拙稿で、二時間が検閲によるカットで約半分になっていたというエピソードを書きました。

    いちおう "Fifty Shades of Grey" もおととし日本で社の女子社員と一緒に観ました。もちろん二時間強のフル。 ラブシーン、SMシーンも普通にあった。でも「あーあ」な印象。おまえなぜこんなチープな映画になりしかと銀座のイタ飯屋で延々と論じた記憶があります。
 
 それなのになぜ後編を観たかって?
 
 言い訳をします。最近のベトナムの映画館の座席には幾つかクラスがあります。普通、 Gold、Premium。ベトナム人の友人によれば 最近GoldとPremiumの部屋でカップルで観るのが流行っていると。ただ箱の空き状態により演目が限られています。私が足を運んだ時はPremiumの設定があり、たまたま"Fifty Shades Darker" しかなかったというわけ。ええ試しましたよ、一人で。
 

 Premiumチケットを買う際に「飲み物も必要か」と聞かれたので「いる」と答えたら、全部で394,000ベトナムドン(約1900円)請求された。通常料金が80,000ドンから100,000ドンなので約4倍。どんだけ凄いのかと。期待10倍。結果ポップコーンとコーラのコンボが付いてきました。
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これ、一人には多すぎます。ストロー2本の容器から一人でズズっとすするのもせつない。1リットルはあるであろうコーラをコーヒー1杯でいいから変えてくれないかと下手に出ましたが、却下された。がー

 これが座席です。フルフラットにはなりませんがリクライニング可能。フットレストも付いておりビジネスクラスみたいで快適でした。
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 座席体験としては、なかなかよいなと。以前東京でちょっと贅沢をしたいとき、TOHOシネマズ六本木ヒルズのプレミアムシート(だったかな)を選んでいました。上映料金にプラス3000円。レッドカーペットの別入口から入りワインやらカクテルやらを1杯飲みながら鑑賞することができました(追加ドリンクは別料金)。皮のシートだったけど、フットレストはなかったです。

 話はベトナムに戻ります。Gold席はどういう内容なのかと聞いてみた。料金は300,000万ドン(約1500円)。上映前に専用の待合室で待つことができる、上映中30 分ごとにcoffeeまたはTea(ベトナム流緑茶)を持ってきてくれる、だそうです。うん。こっちの方がいいかも。次回は、これを試してみます。

 肝心の"Fifty Shades Darker" を忘れていた。

   ベトナム政府による検閲で5分ほど短くなっていましたが、第二編にはあまり影響がなかったと言えましょう。


   うーん、なんというか女子をキュンとさせるであろう恋愛装置がてんこ盛りなんですが、とにかく浅い。根本の性格性癖が耐えられずに別れたはずなのになぜ数日(5日くらいか)で、しかもイージーなかけひきで復縁するのか、その5日間の間に主人公のグレイのモサモサひげが一旦剃られていたのに翌日またモサモサ(撮影香盤のせいですが誰も検証しなかったのか!)、仮面舞踏会に全くドキドキしない、キム・ベイジンガーが出てくるのに彼女の良さが悲しいくらい生きていない...恋愛については ”ローマの休日” ”ナイン・ハーフ” "プリティウーマン”を、仮面舞踏会については”アイズ・ワイド・シャット”をしかと見よと、地球の真ん中で叫びたい。
 

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 すみません。筆がすべり過ぎました。
 サントラの"I Don't Wanna Live Forever"はいい。 元One DirectionのZAYNとTaylor Swiftじゃないですか(もう1億view超え!)。ホラー映画として観るのは悪くない。なぜならこの映画、監督はジェームズ・フォーリー(なぜこの人に恋愛モノを撮らせたのだという議論はオフラインで。笑)雨がちなシアトルの街も美しい。シアトルファンはぜひ。日本公開は6月だそうです。






 

  

 ヤンゴンから飛行機で1時間10分。インレー湖は、ミャンマーの中でもちょっと毛色が違う、ヨーロッパ人に人気の湖畔リゾート。
 といってもミャンマーの人は普通に生活しています。大きな湖があってその中に家を建てたり移動をボートでしたり魚を獲ったり水上栽培していたら面白がってガイジンたちがワシワシやってきたのでリゾートにしてみっか?みたいなノリで発展したと思われます。

 伏せ網を使う曲芸フィッシャーマン。「次はどこに行く?」的雑誌記事でみなさんも見たことがあるでしょう。
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これ実はパフォーマンスをする観光用のモデルさん。普通は巻きスカートのようなロンジーを履いた漁師が立ち漕ぎと技術を駆使して釣っています。

 今回面白いなあと思ったのは、水上栽培。浮島栽培とも言います。 竹を編んだ筏の上にアオイという水草を置き、その上に泥と土を混ぜたものを載せて固める。筏が流れないように竹の棒で湖底に固定して約半年置く。6ヶ月も経てば水草が腐って肥料にもなり、いい塩梅になるそう。その土でトマト、ナス、キュウリ、唐辛子を育てるのです。
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      (手前の長いみどり部分、背後のススキみたいな部分が浮畑)
 
 野菜たちを食べてみた。トマトはプチトマトくらいの大きさで、赤いのと青いのがある。滞在した期間にタイミングよく5日に1度の”五日市”が開催されたので出向いて買ってみました。市場の奥の方、ローカルの女性がワシワシと選り取り見どりする店に割り込み、赤いトマトをビニール袋につっこむ。宿に帰って食べてみると、うーん。普通。旨味はない。サラサラしている。ガイドやネットをみると、美味しいと書いてあるが、ホントか?みんな試したのか?夜、名物トマトサラダなるものを頼んでみたが、これも普通。ベトナム産トマトの方が旨いぞ(特にダラット産は甘くて旨味があります)。 
 唐辛子もかじった(私は辛いもの好きで、ときどき齧る。タイのプリックキーヌーは災難だった。泣いた)は。辛くない。サラサラしている。
 
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       (市場。唐辛子やわけわかんない野菜や魚の干物を売っている。トマトはトマト専門店が幾つかありました)

 キュウリも朝に夜にホテルのサラダに出ていたが、サラサラしている。もともと味があるかないかわからないキュウリ。ここまで存在の耐えられない軽さのキュウリは 初めてである。クツワムシや鈴虫にもOX判定してもらいたい。

 結論。やはり土に含まれるミネラルは重要です。 

 ミャンマーの名誉のために行っておくと、ジャガイモとカリフラワーは美味しかった。 ミャンマーはインド人もたくさん住むので、カレーもメイン料理の一つ。たいていのローカルレストランに、牛&ジャガイモ、鶏&ジャガイモ、豚&ジャガイモ、ジャガイモ単体カレーがあります。もちろん野菜カレーもある。なんでジャガイモだけ優遇されているのかと思ったが、単に美味しいから。寒い国でもないのに面白いですね。

 
 

 旧正月を利用してミャンマーに行ってきました。ホーチミンからミャンマーの玄関ヤンゴンまで2時間10分のフライト。空港の到着ターミナルが新しくインテリアのセンスがいいのには驚いた。ベトナム、頑張ろう。
 
 想定外に楽しかったのが、ヤンゴン環状線。イギリス統治下のビルマ時代に引かれた列車で、全長45.9km、39駅をぐるりと約3時間で回ります。山手線が34.5km/29駅を58分で一周するから、それよりゆっくりしたスピードとお考えください。

 ドアがない。窓はあるがガラスはない。座席は木あるいはプラスチックの横にどーんと伸びる長椅子。正直いって座り心地はあまりよろしくないけれど、これが現地の人には一番いいとわかるのは後になってから。
 車両自体は古いが、どれも広告でラッピングされていました。これはRedBull Train。他の列車をみると、現地携帯電話大手、コーヒーなどがスポンサーでした。

RedBullTrain

 私が乗った列車はYangon中央駅を10:10発の予定だったのに、出発したのは10:30。始発は6:10。途中1時間に1本くらいの割合で走行し、終電は16:40。使い勝手がいいのか悪いのか、さっぱりわかりません。はて。いったいどんな人が利用するのか観察してみた。

 その1。仕事場にしている人。
 電車内での通話はやめましょう。なんていう日本っぽい標語はここでは通用しません。かかってきたらスマホをとる。しゃべる。大声しかも長い。そして別の人にかける。座席に片膝たてて書類を広げては仕事をする。
Man in Train

この写真の男性は、1つのスマホでしゃべり、もう一つのスマホで計算していた。横のインド人っぽい美人女性はスマホと鏡をかわりばんこに見ていた。
 
 ここは野菜卸女性たちの仕事場でもあります。途中、市場がある駅に停車。そこから乗り込んできた皆様のたくましいことたくましいこと。横向きに座って、野菜を取り出して、小売用に一束ひとたばまとめて輪ゴムでくるり。茎のはしっこはハサミできって車窓から外へポイッ。
VegitableLadies
        (この人たちは行儀のいい方です)
 カリフラワーを小分けする女性も安定した仕事ぶり。まだ20代と思われるか細い女性が手のひらにカリフラワーを乗せては工作用のカッターで厚さ2cm程度に切っていく。列車がガタガタゆれるから、手を切りはしないかと向かいからハラハラしながら見ていたら、問題なしとでもいうようにニッコリされました。なんていい笑顔なんだろう。
 
 その2。食堂にしている人。
 始発のヤンゴン中央駅では水売りの子供たちが。その後駅に止まるたびに、スイカ、りんご(中国産の三流品)、みかん、カットパパイヤ(これはベトナムにもある)などを持った20代前半の男女が乗り込んでくる。すると乗客は待ってました!とばかりに引き止めて買っては車内でガッつきます。売る側は一駅か二駅移動する間に仕事をしては、ひらりと駅に降りて次の車両を待つという仕組みのよう。歩かない行商人。
WatermelonLady

12時前後になると、ローカルの麺料理が登場(白と黄色があった)。これは頭上のカゴとイスを床において調理して、全てをビニール袋にぶち込んで振っては出していました。横のスペイン人カップルは注文したが完食は無理だった様子。私はゆでトウモロコシを買いました。横のおじさんが買ったのが美味しそうだったので。かぶり付く。ほんのり甘くて美味しい。値段がわからないので500チャット(50円)渡したら400チャットお釣りがきた。え、100チャット(10円)?参りました。ちなみに私のあと次から次へ乗客が買って、このトウモロコシ兄ちゃんは一両で商売終了。よかったね。
 
 その3。瞑想する人。
 ミャンマーは仏教国。歩けば僧侶にあたります。この列車にも乗っておられました。長い座席だから、安心してあぐらをかける。果物をガッツリ召し上がったあと、瞑想されてました(首が動いていたから寝ておられたのかもしれん)。男性一人、女性一人。ミャンマーは女性の僧職も多いのです(この項は改めて)。

 その4。イチャイチャする人。
 意外といるんだな。昼間っから。
Love
        この写真の人たちは、とても好感がもてた。なんでだろ。

 その5。移動する人。
 そもそもこれが第一であるべきですよね、普通。時間を気にしない学生さんたちが時々乗ってきては、窓から外を眺めていました。

 車窓から見える人々の暮らしや平原に広がる緑色の畑も興味深かったのですが、何よりも人間模様が面白くて気が付いたら一周してた3時間でした。料金は200チャット。20円でこんなに楽しませていただけるとは。もしかしてミャンマーで一番面白かったかも。
 
 親切だった駅員さん、車掌さん、ありがとうございました。

 
 
 
  

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