けさ起きたら、髪の毛がサリーちゃんのパパ状態になってました。あ、若い方にはわかりませんよね。百年ほど前に人気だったアニメ番組「魔法使いサリー」に出てくるパパ魔法使いです。

魔法使いサリー


 なんでそうなったか。たぶん理由は 先日観た映画 "KONG" だと思うんです。何せド迫力だったー。おかげでカラーだけでなく3Dの夢を観てしまった。コンテンツのあまりの激しさに何回ももんどりうった形跡がけさのベッドにありました(殺人の現場検証かい)。念の為にいっておくとアタクシ極めて寝相はよく、一度寝たら起きるまで微動たりともいたしません。それくらい、襲いかかってくる映画だったんです、KONG。
 なんの因果か映画配給会社さんからIMAXでKONGを観て欲しいとご招待いただき、行ってみた。広いハコに私一人。ベトナムでは、2D, 3D, 4K 3D, IMAX 3Dの4形態でKONGが観られるのですが、ほとんどのお客さんは2Dで鑑賞するため4KとIMAXはいつもガラガラらしい。

 "KONG SKULL ISLAND"(邦題 キングコング:髑髏島の巨神)はメインの撮影がベトナムで行われたためベトナム人の間では昨年から話題でした。3月10日の封切りから数日は上々の入りだったと。ベトナム専用宣伝コピーにも"SIÊU PHẨM HOLLYWOOD ĐẦU TIÊN QUAY TẠI VIỆT NAM" :ベトナム初のハリウッド制作映画とあります。

KONG 裏


ご存知のように、ベトナム戦争を扱った"地獄の黙示録"も"Good Morning Vietnam" もそれぞれフィリピン、タイ撮影ですから。

 途中に出てくる美しい島々は、有名なハロン湾とTràng AnそしてTam Cốc-Bích Độngというベトナムの世界遺産エリア。ここで撮影できただけ素晴らしい。コーディネートした知り合いの制作プロダクションが大変だっただったと力説してたんですが、よくわかった。あなたたちの名前はエンドロールでしかと確認しました。

 しかしね、この映画をいわゆるキングコングと期待して観るとあてがはずれるでしょう。全く違う怪獣映画、しかも第二次大戦における日本兵と日本刀へのオマージュ、家族愛まで入ってきます。
 
 1933年に制作された”KING KONG”の初作は  Skull Island(髑髏島。つまりここで今回と繋がってるわけですよ!)から見世物としてニューヨークに連れてこられたKONGがエンパイアステートビルの周りで暴れて美女を手のひらに乗せて愛でるという映画。

KingKong(1933)


それをリメイクしたのがピータージャクソン監督2005年の”KING KONG”。CGも素晴らしかったですが、ヒロインのナオミ・ワッツが本当に美しくてKONGの彼女への思いが伝わるラブストーリー+ちょっぴりアクションホラー映画でした。
220px-Kingkong2005
 
 今回のKONGももちろん女性が出てきます。報道カメラマンという設定。最後にはこの人でよかったんだろうなと思うんだけれど、いまひとつ魅力的でないせいか(ゴメン)、KONGが大きな瞳でじーっと見つめるシーンがあっても感情移入できなかった。ゴメン。KONGに救われるシーンもそうだった。ゴメン。

 途中KONGとKONGを駆除しようとする隊長サミュエル・L・ジャクソンがガチでにらみ合う場面があるんですが、こっちの方がグッときた。メラメラしてた。KONGの目は、サミュエルの目を元に作ったんではないかと思うくらい、二人の瞳には何か通うものがありました。

    男性キャストはわりと豪華で、主役にいま私が注目している俳優の一人トム・ヒドルトンが出ています。まあ、それだけでも観てよかったかな。ちなみに次期007の声があるトム・ヒドルトンでおすすめは、ドラマ"Night Manager"です。BBC制作の戦争の裏側のドラマ。この少しジゴロな感じが彼の十八番でしょう。
 
(ここからネババレ注意)
 子供はきっと、巨大始祖鳥やタコ、クモといった怪獣奇獣に大喜び。IMAX 3Dで観ると椅子から飛び上がること確実。さらに人がリアルに突き刺されたり(本当に串刺しです)、足で踏まれたり、食べられたり、爆発したり、観てるだけで心臓がバクバクします。つまりね、IMAX 3Dでこんなん観たもんだから、私は夢でうなされてサリーちゃんパパになったんですよ。

 ともあれ、島々の美しさに魅了されたら、ぜひベトナムへ。