金曜の夜、ホーチミンの通りから喧噪が消えた。

 午後6時から夜中の12時まで市内中心地は車両通行禁止というお達しが出たため。4月30日は南部独立記念日。今年は40周年にあたるので、大きなパレードが予定されている。そのリハーサルを行うんだそうだ。ふだん金曜6時となれば、ここぞとばかりに家路を急ぐバイクとその合間をぬって走るバスとクルマが交差点で3すくみになっているので、誰もいない静かなホーチミンという光景にわたしの頭が納得していない。

Street26Apr

 オフィスを出たのは7時。タクシーも見事に消えてひっそりとしていて、戒厳令下の街というのはこういうものなのかなと通りを iPhoneでシャカシャカ写真を撮って歩く。昨年ホーチミンにきてから一番受けた注意は、町中で iPhoneを取り出して写真とったりしない、だった。なぜならバイクで走り込んで来る輩にひったくられるから。実際被害にあった2人からの忠告だったので、私はそれを守りました。でもね、今日は大丈夫。交差点ごとに警官や兵隊たちが立っているので全く危険がない。試しに彼らにカメラを向けてみると、手で×をする人たちと笑い返してくれる人たちがいて、それはそれで面白かった。 
 「 Masako san、12時まで仕事してからバイクで帰る。それまでにカンプを送るからチェックしてね」とスタッフが私の帰り際にいうので、おとなしく家でワインをちびちび飲んでいた。8時ごろ無地のバスが30台くらい一定の距離をおいてゆっくり走っているのがバルコニーから見えた。ちなみに私のアパートメントは中心地にある。
窓を開け放して何かが起きるのを待って待って3時間。10時半を過ぎたころ、何やらわーわー聞こえて来る。あれ、パレードに反対する人たちが酔っぱらってわめいてる?と思ったら、それがパレードの演習でしたよ。上から見たので小さい粒ですが、やはり北朝鮮や中国のように歩調は揃っている。ただ唄は練習したほうがいい(笑)。まだ本番まで4日あるから練習したほうがいい。Parade1


 11時ごろマレーシアから仕事でホーチミンに来ていた友人が、暗闇で撮った写真にcurfew とタイトルをつけてfacebookにあげていた。curfew: 夜間外出禁止令。消灯令。去年タイで発令されたときに、バンコクに住む友人たちのアップロードで覚えた単語だったわ。
 
 今宵のホーチミンは客観的にはそう見えるんだあと、夜の帳が降りて行くさまを5時間ほど眺めていた。