ハロウィンですね。カボチャの季節ですね。
 東京にいたときは、カボチャが甘くコックリした味になってくると冬の到来を感じたもの。しょっちゅう煮物に使うから冬の味の常連でした。

 ベトナムにもカボチャはあります。中の色はオレンジなんだけど、ファンタみたいな透き通ったオレンジ。一年中ある。あっさりしていて冬瓜の延長みたいな感じ。カボチャは漢字で南瓜って書く意義(大げさだな)を、はじめて実感しました。で、常連からは外れた。
 
 東京での常備野菜は、キャベツ、ニンジン。ジャガイモ、玉ねぎ、小松菜、ほうれんそう、長ねぎ、薬味としてワケギ。秋冬になると、カボチャと蕪が加わってたな。
 それがホーチミンに暮らす今、どういう面々が冷蔵庫の常連かと申しますと、オクラ、いんげん、トマト、これ3強。続いてゴーヤ、空芯菜、小松菜...ニンジンとキャベツは3軍的存在になってしまいました。

 理由はひとえにお値段。安い。オクラなんか10本で 45円くらい(8000VND)。トマトなんて一つ15円くらい。形状はイタリア系タテ長の小さいトマトで、東京で買っていた5つ400円程度の桃太郎トマトと比べると甘みはないけれど、ささやかな旨みがあって子供のときに食べたトマトの味がします。たぶんこの表現、最初から桃太郎トマトの20代の人にはわからないよね。ごめんなさい。

 ベトナムでオクラは生のままでは食べません。東京で食べる(タイ産の)ものより長いし、若干太い、皮が厚い、産毛が太い、という形状のものをサッと茹でてからヘタと尻を切り落としてお手製ソースで食べます。お店で覚えたニョクマムベースの甘辛ソース、マヨネーズにチリソースを混ぜたピンクソース(普通のピンクソースはケチャップを混ぜますが、こちらは違う)など。あとは南部家庭の味噌汁的存在Canh chua(カンチュア)という野菜スープに刻んで入れる。がポピュラーな食べ方。

 うちではカンチュアは作らないけど、茹でてソースはお客様が来た時に手取り早いのでよくやります。でも2日に1度作ってるのは(作りすぎ?)、茹でたオクラをざく切りしたものに、ゴマ油とわさびと切り昆布で和えるというシンプルなメニュー。昆布は好きなのでいろいろ試してみましたが、会社同期の飯田氏(通称とんちん)のお店江戸一さんが出している「ぶぶ漬け昆布」を使うのが一番美味しいのでこれは贅沢品として週に一回程度。ふだんは「ふじっ子のおいしい塩こんぶ」を使っています。

 おっと主役に近い脇役を忘れてました。パクチー(香菜)、ミント、ディルも常備のお野菜。パクチーがあれば、なんでもベトナム・タイ風料理にアレンジできるし、ディルがあればなんちゃって南欧風サラダ、肉料理がいとも簡単にできるのです。ベトナムに来てから時間のかかる凝った料理は作らなくなったけれど、5分でできる酒の肴的レシピはかなり増えましたね。
 所変われば品変わる。果物については、近いうちに。

  
ゴーヤ

 写真はゴーヤ。日本より小さいし、苦くない。スライスしてドレッシングちゃちゃっとかけて生で食べるのが多いかな。写真の中が赤いのは、買ってから一週間ほうっておいたもの。こうなるんですねー