いやぁ、行ってきました。007 "SPECTRE"。ホーチミンのお洒落劇場で、初日に。面白かった。この映画なら5000円払ってもいい。そう思いました。

 オープニングはメキシコの「死者の日 Día de Muertos」というお祭り。ちょっとグロくて地味に派手な映像から 仮面をかぶったBondが女性にラテン女性にキスして絡んで走って走って銃撃って建物が崩れ落ちる( ネタバレすんません)まで7分程度を1カメの長回し(カットなしの映像のことです)でぐいぐい見せる。スタッフ大変だっただろうなあと左脳でしみじみしながら、右脳的にはもうテンション上がりっぱなしです。

 書きたいことは山ほどあるんだけど、泣き泣きポイントを一つに絞ります。
 オンナ。ダブルボンドガールですよ。

 007シリーズだと普段は Bondしか見えてない私ですが、今回は私の大好きなモニカ・ベルッチが出ている。ハリウッドに住むことを拒否し続けたイタリアの妖艶な女優。51歳の最高齢ということで「Bond girlというよりBond Womanと呼んで欲しいわ」のコメントがイギリスのインテリ向け新聞the guardianで話題でした。モニカの登場は喪服姿の横立ちから。これが凛としているのに艶っぽい。ペプラムの喪服とハイヒールが素敵で、もしここにオンラインショッピングのサイト示されたら値段に関わらず即買いだと思ったほど。

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 あ、話、逸れちゃいました?失礼しました。顔や背中のどアップは若干キツいかなあと感じたけど、十分色気がある。Bondが彼女の服をストンと下ろした。いよいよ♡、と思ったらシーンはもう別の国に変わってました。

 モニカのアップがどうのこうのとかいうのでなく、この展開はベトナムだから。ベトナムだと濃厚なキスシーンやベッドシーンは検閲でざっくりカットされるのです。ご存知の通り007シリーズは、毎回お約束でベッドシーンが出てきます。伝統芸。2分程度。前後のアクションとつれないそぶりとベッドルームの2分でボンドガールたちはハリウッドをのし上がっていくわけです。その2分が、ない。なんだかねー。
 
 余談ですが、今年のはじめ "Fifty Shades of Grey" という女性向けエロ映画ありましたね。これを弊社のベトナム人スタッフが 「Masako-san、 洋服を脱ぎかけて、また着だしてワイン飲んでまだ脱ぎかけて次は車運転してて、なんか1時間で終わっちゃってよくわからなかったー」と不満そうに言ってきたのを思い出しました。それに比べたら軽傷か。
 
 儲け物だと思ったのは、もう一人のボンドガールのレア・セドウ。フランス語を綺麗に話すなあと思ったらフランス人でした。この映画では悪者の娘でお医者さん役。賢そうだけど、ちょっとふっくらした、どちらかというともっさりした女性として登場します。"Lost in Translation" で、主演だったスカーレット・ヨハンソンを初めて見たときと同じ印象ですわ、私的には。あの映画から13年、今じゃスカーレットは世界で最もセクシーな女優の一人として扱われるようになった。

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        (右の女性です。なぜか女性トイレの入り口に看板があるのも、ベトナムならでは)
 
 このレア・セドウが L 'American (直訳だとアメリカ人ね。でも話の鍵なので詳細は映画で)の謎を追って悪者たちと戦い、Bondと逃げるうちに恋に落ち、そして徐々に色気を醸し出していく。まるで赤ワインが熟していくかのようです。Bondまでが、今までの外見や肉体優先的な恋でなく、精神的に恋におちてしまうのが今回のSPECTREの特徴と申しましょうか。ラスト10分間の彼女の素敵なことといったら。スカーレット・ヨハンソンが10年かけて成し遂げたことを、彼女はこの1本の1時間程度で成し遂げてしまった。案の定、重要な2分は、クライマックスの状況から見事にブツリとカットされてましたが。

 言い忘れました。監督は前回の "SKYFALL" に続きサム・メンデス。音楽や映像の美しさはもちろんなんだけど、やはり女性の撮り方が違うんだよなあ。だって"American Beauty" の監督ですよ。赤いバラの映像、今でも脳裏に描くことができる。10代の青っぽいSEXYさから、成熟した女性の崩れかけた色気まで、見事に撮りわける人。私生活でも、タイタニック女優ケイト・ウィンスレットの元旦那。なるほど、諸々うなずけます。
 
 失われた4分(2分x2人)を観たい。東南アジアだと、バンコクに行けばノーカット上映かなあ。東京は12月上映ですよね。待てない。悩ましい。
 
 もう一つ。ダニエル・クレイグは最初から最後まで、毛先から血管から頭蓋骨(観たらわかります)まで一分の隙なくカッコいいです。いろいろ書きましたが、私が一番観たいのは、ダニエルの4分かもしれない。