アイスランドといえば、クルマの撮影場所。温泉がある。数年前発音できない名前の火山が爆発してヨーロッパの飛行機が飛べなくなった。そんなイメージしかありませんでした。でもコークの一人当たり消費量が世界有数という事実も。意外すぎる。

6月16日 アイスランドー副業チームの偉業 
アルゼンチンーアイスランド 1−1 モスクワ

 誰がこんな展開を想像していただろう。18分にアグエロがアルゼンチンの先制点を取ったまではよかった。ところが20分を過ぎた頃から、メッシの表情が固くなる。なにせボールが通らない。俺ら強豪アルゼンチンがW杯初出場アイスランド相手に、こんなんでいいのかよ。そう問いかけているように見える。
 自分の足元にボールがくると、アイスランド勢が3人やってきてプレスをかける。ゴールエリアに攻め入ろうとしても、最後のラインに5人が一直線に並び、そこから前後に揺さぶりをかける。ある意味教科書のようなサッカー。でも、全員がのびのびとプレイをしている。
 
 そんなサッカーをチームに叩き込んだのは、ハルグリムソン50歳。6年前はFIFAランキング133位だったアイスランドを22位にした。2013年。代表チームでスウエーデン人の名将、ラーゲルベックのアシスタントコーチに就任し基礎を学び、2016年のユーロ後から単独でアイスランド代表を率いて、今回チームを初めてW杯に連れてきた。
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        ©︎ Tom Jamieson for The New York Times
 
  男の本業は歯医者である。サッカー監督と何が共通しているんだろう。「歯医者の椅子に座る人間のタイプは3つだ。心底怖がってる患者。何も気にしない患者。治療中眠りこけている患者。それぞれに違うアプローチをするように、サッカーのプレイヤーにも対応すればいいんだ」一年中移動が多い監督業で、彼のリラックスできるのは患者さんの歯を抜く時だと。面白い。


 もう一人のパートタイマーの話をしよう。メッシのPKをアイスランドのゴールキーパーの体がビューンと伸びて止めた時、私は鳥肌が立った。テレビを見ていたアルゼンチン人はもうヤダこんなの!とリモコンを投げ出したろう。テレビの実況アナウンサーは、” Elastic! (ゴムみたいだ)" と絶叫していた。
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 ゴムのようなゴールキーパー、ハルドールソンの本業はフィルムディレクターだ。このコカコーラのCMを見て欲しい。アイスランド特有の応援のリズムと、みんなの仕事と、サッカー応援と、コークの清涼感が見事に一つになっている。こうやって書くと陳腐になってしまってハルドールソンに申し訳ないのでぜひ実物を見てください。悔しいなあ、こういうの作りたいなあ。これは私の本業の本音。