6月27日 アップデートできなかったドイツ
韓国ードイツ 2−0

 「僕たちはコミットできていなかった。もし仮にこのゲームを勝てたとしても、次のゲームで負けていたと思う。ここで僕たちが落ちたのはもっともだ。今大会どのゲームも納得できなかった。全くドイツじゃない。みんなわかっていた。悲愴なことに」
 
 試合後、キーパーのノイアーの言葉が全てを語っていた。ドイツは初戦、メキシコに負けている。W杯開始前も国際試合は5戦0勝(3分2敗)。全員が流れに乗れないまま足を踏み入れてしまったW杯だった。2戦目のスウエーデン戦も全体のできは今一つでクロース個人の執念で薄氷を踏んで勝ったようなもの。
悲しみのエジル
                  哀しみのエジル。CDジャケットみたいだ

 何が優勝した2014年と違ったのだろう。まず司令塔エジルが目立たなかった。第二に決定力をクロースに頼りすぎた。2014年のレーブ率いるドイツは、当時35歳のクローゼ筆頭にポドルスキ(30)、シュバインシュタイガー(29)、ケディラ(27)ミュラー(24)クロース(24)、ゲッツェ(22)とストライカーに飢えがあって常に点取り競争していた。

 覚えているだろうか、ゲッツェは前回優勝弾を決めた選手。なのに今回は代表入りしていない。観客席で試合を見守っていた元エース、クローゼの表情が切ない。鷲の急襲のようにガンガン攻めるドイツを見たかった。
チョヒョヌのセーブ
    チョヒョヌ、ゴメスのヘディングを見事に止める

 それにしても韓国のキーパー、チョヒョヌはよく守った。K-POPシンガーのような風貌。彼でなかったら、ドイツは最低2点取れていたかもしれない。
MOM チョヒョヌ
     Man of the Match チョヒョヌ

 ●”前回優勝したチームは次回予選リーグ敗退”のジンクスを守った4番目の国(2002フランス、2010イタリア、2014スペイン)
●予選リーグ敗退は1938年以来。
●前回優勝チームで今回2得点のみ。これは歴代下から2位。最下位はフランス(1998優勝)2002年の0点。
●W杯でドイツ史上初、アジアのチームに負けた。
 
 ドイツは悪い記録だけをアップデートしてしまった。