バタド(Batad) を歩いた後にエゼキエルは スネークリバー(Snake River) は見る価値があるとビューポイントに連れて行ってくれた。
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 おお、蛇がいる。川がくねくね田んぼの間を流れている。何かを建設することはできず陸の連結が悪いので、若い人がどんどん出て行ってしまうという。俯瞰して見るぶんには美しい。でも実際その高さで生きていくには、見えない苦労と常に向き合わねばならない。 

 
エゼキエルの案内コースはほぼ終わりつつある。どこか行きたいところはあるかと聞かれたので、どの観光サイトでも最初に出てくるバナウエビューポイント(Banaue View Point) をリクエスト。実は前の日にエドウインが連れて行ってくれたのだが、時は午後6時。すでに暗く何も見えなかったのだ。警官エドウインの目にはクリアに映っていたのだろうが。

 「ビューポイントは幾つかある。でも自分の実家があるビューポイントエリアに行くよ」と
エゼキエルはトライシクルを走らせる。
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途中道端で刈りたての稲を販売。箒かと思った。50ペソ。売り子はエゼキエルの叔父さん。
   
くねくねした道を今までの倍速でヒュンヒュンと曲がって行く。高度はどんどん高くなるが自分が毎日”通勤”している道だから、彼は目をつぶっていても走れるのだろう。ああ、息苦しい。空気が薄くなるのを感じる。

 降りた場所から見た光景は、鋭角なすり鉢だった。写真で見るぶんにはわからないが、現地だと息を呑むだろう。ドローンを操縦できるようになっておくべきだった。
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観光客は私たち以外いない。イフガオ族と写真を撮るといいと勧めされる。頭に羽の飾りをつけ民族衣装を着ておばあちゃんが道にちんまりと座っていたが、即座によってきた。

 エゼキエルが私のiPhone を構えたところで、あと二人のおばあちゃんがどこからともなく登場。普通に撮ってもらおうとしたら、ピースサインをしろとおばあちゃんに強要される。まるで喜劇じゃないの。彼女たちはとっても小さい。身長は私の半分だろうか。
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3人には撮影料として20ペソづつ支払った。土産物はいらないかと
エゼキエルが言う。このあたりの店も家族か親戚の経営だろう。彼へのガイド代は前払いしてあるので、チップがわりに土産物を数点購入した。木を彫った豚の大皿はパーティー用にいいね。
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フィリピンは豚を丸焼きにするレチョンがご馳走。豚はキャラクターとしても人気がある。
 
 ビューポイントからホテルに戻る途中で、エゼキエルがトライシクルを停める。20ペソ紙幣に印刷された場所らしい。さぞ誇らしいと思いきや複雑な表情をする。「昔は一番高額の1000ペソ紙幣の裏にあったんだ。今は20ペソになっちゃった」たとえば一万円札にある福沢諭吉が、新札から1000円札の顔になってしまった感じ?日本じゃまずないない。

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 棚田マニアではないが、バリ島や岡山県の棚田よりはるかに大きいバナウエ。大汗をかきかき歩く価値はある。インターネットが繋がらない地域がほとんどなので、フィジカルにもデジタルにもデトックスできること、請け合いです。未踏のエリアが2つほどあるのでまた行こうかな、バナウエ。ここには懐かしいアジアが残っている。