W杯史上最高の決勝戦が開かれた2022年12月17日。「鎌倉殿の13人」と「M-1グランプリ」も重なって、それぞれのカテゴリーの最高峰に恵まれた1日でした。エンターテイメントを当たり前のように楽しめる環境にあることを幸せに思います。ただ個人的には64試合、トラブルもなく魅せてくれたAbemaに何よりも感謝したいです。
12月18日 伝説の終わりと始まり
決勝戦 アルゼンチン3ー3フランス(PK4−2)
"Porquoi(なんで)?”とエムバペは、叫んだ。120分+α、延長後半終了の笛が鳴り、試合はPK戦へ。
「なんで?」と顔を歪ませるエムバペ
41分でジルーがピッチを去る。最前列で俺様一人になった。いつもはボールをくれるグリーズマンとテオ・エルナンデスが70分でいなくなった。中盤まで俺が見なくちゃいけないのか。アルゼンチンは前半ですでに2点。79分までフランスはシュート1本できていない。80分コロムアニが倒されてもらったPKを俺が決めて、やっと1点。時間がないから俺はネットに詰めてボールをひろって即刻ゲーム再開した。81分、テュラムからのパスをボレーで叩き込んで2点。どうだ(ドヤ顔)。やっと同点にしたのに、なんだよメッシ、108分でジャポンのミトマみたいに足だして粘りやがって3点目かよ。悔しい。へへへ、俺のシュートがモンティエルの手に当たってPKもらっちゃった。決めたよ。118分で3-3 。どうだ、俺はPKでビビるタマじゃないぜ。120分過ぎて一人で真ん中からドリブルで上がってロメロとパレデス抜いたのに、ディバラに止められるなんて。なんで?お前FWだろうが。今までならここで、フランスが勝ってたんだよ。なんで?
エムバペはこんな気持ちで闘っていたに違いない。
メッシは81分、エムバペが決めたボレーシュートを見て、悔しがるわけでもなく楽しそうに笑う。
やってくれるね、ドナテロ(エムバペのPSGでのニックネーム。ニンジャタートルズより)。
エムバペとドナテロ。似てますよねでも今回は負けるわけにいかないんだ。俺もW杯5回目だからそろそろ勝ちたい。お前PSGでは先輩かもしれんが、たまには年長者を敬え。おっ、ラウトロ・マルティネスが撃ったのをロリスが弾いた球がきた。これ、オフサイドかもしれんが足、伸ばしとくよ。ハポンのミトマみたいにVARが味方してくれるかもしれないから……やった。108分で3-2。こっちは長年10番背負ってるんだから。勝ったね。えっ、そこでPKなの?で、決めちゃうわけ?ドナテロやっぱりニンジャだ。3-3。PK戦突入か。でもさ、俺らPKには慣れてるから。負けないから。オランダ戦より酷いのはないから。それにね、俺はね、前半の2点ともディ・マリアが関わってくれたからもう満足だよ(ニヤニヤ)。それに昨夜はアグエロと一緒の部屋で寝たんだ。俺は今日ヤツの分まで闘ってる。
GOAL後のディ・マリア
メッシが始終にこやかにプレイできたのは、こんなことを考えながらだったかもしれない。アグエロは、ディ・マリアに次ぐメッシの朋友で、心臓疾患があるため昨年惜しまれつつも現役を引退。今ではコーチとしてチームにいる。
メッシを抱えるアグエロ
W杯の通算試合出場数が26となりドイツのマテウスを超え、通算出場時間もマルディーニの記録2216分を前半23分で抜き去ったメッシは35歳。記録を更新するだけでなく、遂に最後の1ピースであるW杯優勝を彼のキャリアに加えた。今回を最後に代表引退と聞いていたが、続投を表明。アルゼンチンの伝説はまだまだ書き換えられることになる。
このキスをずっとしたかったとメッシ
さてエムバペだ。W杯の得点王ゴールデンブーツ賞をゲット、それを決勝戦で記録するだけでも前代未聞なのに、表彰式で彼はニコリともしなかった。それでいい。2014年にメッシも同じ準優勝かつゴールデンブーツ賞で、不満顔だった。悔しさをバネに、さらなる怪物目指して突っ走ってほしい。まだ24歳。新しい伝説を自分で作って、自分で壊してほしい。
1994年からW杯を観ているが、間違いなく最高の決勝戦だった。ドラマや映画も大好きだが、こういった、人には書けない人のドラマが観られるからサッカーが好きだ。
12月18日 伝説の終わりと始まり
決勝戦 アルゼンチン3ー3フランス(PK4−2)
"Porquoi(なんで)?”とエムバペは、叫んだ。120分+α、延長後半終了の笛が鳴り、試合はPK戦へ。
「なんで?」と顔を歪ませるエムバペ
エムバペはこんな気持ちで闘っていたに違いない。
メッシは81分、エムバペが決めたボレーシュートを見て、悔しがるわけでもなく楽しそうに笑う。
やってくれるね、ドナテロ(エムバペのPSGでのニックネーム。ニンジャタートルズより)。
エムバペとドナテロ。似てますよね
GOAL後のディ・マリア
メッシが始終にこやかにプレイできたのは、こんなことを考えながらだったかもしれない。アグエロは、ディ・マリアに次ぐメッシの朋友で、心臓疾患があるため昨年惜しまれつつも現役を引退。今ではコーチとしてチームにいる。
メッシを抱えるアグエロ
W杯の通算試合出場数が26となりドイツのマテウスを超え、通算出場時間もマルディーニの記録2216分を前半23分で抜き去ったメッシは35歳。記録を更新するだけでなく、遂に最後の1ピースであるW杯優勝を彼のキャリアに加えた。今回を最後に代表引退と聞いていたが、続投を表明。アルゼンチンの伝説はまだまだ書き換えられることになる。
このキスをずっとしたかったとメッシ
1994年からW杯を観ているが、間違いなく最高の決勝戦だった。ドラマや映画も大好きだが、こういった、人には書けない人のドラマが観られるからサッカーが好きだ。