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決勝戦はフランスークロアチア。3位決定戦はベルギーーイングランド。あと2試合になってしまいました。ふう

7月11日 最後の一滴まで絞りきった体力が。
クロアチアーイングランド 2−1(延長戦)

 イングランドがスウェーデンを下し準決勝進出を決めた7月7日夜、ロンドンにあるロシア政府観光局は、イングランドがW杯に残っている限り24時間ビザを発行しフライトとホテルの予約も手伝うと宣言。そのせいだろうか、会場にはイングランドサポの姿が過去の試合よりも多い。そんな彼らの目の前で前半5分、美しいFKを決めたトリッピアーはさぞ誇らしかったろう。チーム全体も俺たちは勝てると盲信したかもしれない。
イングランド観客

  決勝トーナメントに入ってから3試合連続延長戦。そのうち2つはPK戦まで。つまり最低360分。時間的にも1試合余分に戦っているクロアチアはこの後大丈夫かと心配した筆者が甘かった。ブロゾビッチやヴィダの徹底的な守りにイングランドはなかなか攻めきれない。ケインも2度チャンスを逃した。

 後半クロアチアは、レビッチとペリシッチがサイドを替えて出てくる。これが効を奏しクロアチアのボールが自由に動き出す。ブルサリコからのクロスを足で合わせてペリシッチ、GOAL! イングランドの守備にほころびが出はじめたのをクロアチアの中盤は見逃さず、ゾンビのように次から次へと襲いかかる。最後の砦はキーパーのピックフォード。W杯初出場の24歳がファインセーブを見せるとアナウンサーは’Brick Wall' と絶叫する。拮抗する状態で延長戦へ。最後に決めたのはマンジュキッチ。今大会不発と言われてきたエースが最後に根性を見せた。
ピックフォード
    マンジュキッチに決められた後のピックフォード

 クロアチアのダイナモ、モドリッチはこの試合で得点には絡まなかったが、中盤を撹乱した。通算出場時間604分、全出場選手で最長。決勝戦には万全の体調で活躍して欲しい。その華奢な体でゴールを決めてくれたら、もう最高だ。
modoricKane
    薄いモドリッチとゴツいケイン。真ん中の女子は一生自慢できますね

 クロアチアの走行距離は143.28km。驚いちゃいけない。イングランドは147.82kmだ。両チームとも体力の最後の一滴までよく走った。Sleep well!
眠るクロアチア
   クロアチア選手の気持ち。わかるなあ


 
7月7日 今なぜイブラ対ベッカム?
スウェーデンーイングランド 0−2

 シンプルなゲームだった。先制点を取って盤石の試合運びを見せるイングランドとロングパスに頼るだけのスウェーデン。主将ケインをペナルティーゾーンで見る回数も少なく、より多くのプレイヤーに機会を与えていたように見える。実際ゴールゲッターは、初代表のDFマグワイアと22歳のMFデレ・アリ。後半の交代投入は、デルフ、ダイアー、そして20歳のラッシュフォード。もうテストマッチのノリである。
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    先制ヘディングを決めたマグワイア(右)とストーンズ(23歳)
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   後半14分にダメ押しのゴールを決めたデレ・アリ
 
 そんな試合の裏で、両チームの先輩たちが火花を散らしていたことをご存知だろうか。ことはイブラヒモビッチがベッカムに対して送ったツイートから始まった。「Yo、ベッカム!もし、イングランドが勝ったら、俺は君がディナーを奢るぜ。世界中のなんでもいい。でも、もしもスウェーデンが勝ったなら俺が欲しいIKEAの商品を何でも買ってくれ。OK?」

 対するベッカムは「イブラヒモビッチ、もしスウェーデンが勝ったら君がLAギャラクシー生活で住むマンションに必要な全てをIKEAで買ってやる。でもイングランドが勝ったら、君にイングランドのゲームを見てほしい。イングランドのユニフォームを着てウェンブリー競技場で。そしてハーフタイムにはフィッシュ&チップスを楽しむんだぜ」そんなカケが始まったわけだ。

 
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 なぜベッカムがイブラのイングランド体験にこだわったか。理由は2012年11月14日に遡る。この日スウェーデンーイングランドの親善試合が開かれた。結果はイブラ一人に4点取られて負けるという歴史的屈辱もの。それだけにベッカムは、再びイングランドの負けを期待するイブラにひと泡吹かせたかったのだろう。
 
 そしてイングランドは勝った。普段の70%の力で。イブラがウェンブリーでフィッシュ&チップスをつまんでいる姿を見てみたい気もする。

 おっと、またサウスゲート監督について書く機会を逸してしまった。続きは次回。


 
7月3日 ハメス・ロドリゲスの涙と泰然自若ケイン
コロンビアーイングランド 1−1(PK3−4)

 イエローはユニフォームだけで十分。カードはいらない。コロンビアに大声で言いたいほど酷い試合だった。イエローカード、計8枚。フリーキックはコロンビア15, イングランド23。前日のベルギーー日本がイエロー1枚、フリーキックが10:14だったことと比較してもファウルだらけの試合だったことがわかる。

 主将ケインはこの1試合だけで9回ファウルを受けた。1998年W杯でシアラーが対チュニジア戦で11回。それに次ぐ記録。イングランドのメモによるとシアラーが11回受けたのは彼にも責任がある(HE DESERVED IT)と書いて合った。ケインはパスをしないことは以前書いた。ファウルもしない。されても嫌な顔一つしない。争いが起きると間に割って入る。泰然自若。それをサウスゲート監督が見出して、Tweetに絵文字を多用する24歳を主将にした。

 日本に香川のPKをもたらしてくれたコロンビア6番サンチェスは、この日ケインに抱きついてPKを献上する。2度目。既に彼の元には殺してやるという脅迫がきている。1994年コロンビアでやはりPKを演出し射殺されたエスコバルを思い出す。冗談にできないのが怖い。話がそれたが、ケインの偉いところは、ちゃんとPK をど真ん中で決めたこと。ベッカム、オーウェン、ルーニーはそれができなかった。
5人のケイン
 延長30分間際からTwitterに溢れたイングランドの期待

 ケインがPKを決めた時、ハメス・ロドリゲスは涙をたたえ観客席のガラスに持たれかかる。自分が現場にいたらこんな流れにはならないというもどかしさ、怪我でロクな活躍ができないおのれの情けなさ。カメラは逃さない。ケインのゴールを待っていた少年と対比する。
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 ヒーローは弱さを見せちゃいけない。その場にいないのは、もっといけない。4年後は必ずピッチにいて欲しい。
覆うハメス
     嘆くハメス
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   途中ペケルマン監督と全く同じ指示を出すハメス




 
    


 眠い目をこすりながら観た甲斐がありました。チュニジアーイングランド戦。点が入り、勝つ。このシンプルなことがなぜイングランドは過去数回のW杯で出来なかったのでしょう。

6月18日 パスをしないキャプテン誕生
チュニジアーイングランド 1−2

 やたらとチュニジアのDFからロックをかけられて身動きができなくなっている選手がいる。9番ケイン。LA LA LANDのライアンゴスリングによく似た顔立ち。5月22日にW杯の本キャプテンになった。
ケイン白


 イングランドのキャプテンといえば、テリー、ジェラードと中盤でゲームを司るタイプを思い出す。わんぱくルーニーもキャプテン腕章をつけたのは、丸くなった30歳になってから。
 
 ケインは、トットナムホットスパー所属のFW。2016年、17年とプレミアリーグの得点王だ。そんな点取り屋が弱冠24歳にしてキャプテンになった。
 2016年のEURO、イングランドは初戦であのアイスランドに負けて敗退する。そして代表チームは国民からの信頼を失った。それをこのW杯で回復しないといけない。だから自分が点を取らないといけない。ケインは各種メディアで語っている。
ケイン赤
         2点目を決めてはしゃぐケイン

 代表チーム同僚のMFデルフは語る。「キャプテンマークをつけたことで、ケインが変わったことはない。今でも全くパスをしないんだ。でも彼は全てのチャンスでシュートを打つ」パスをしない代わりに、自分でボールを取りに行くFW。この試合でもチュニジアの4番メリアートとPKを決めた13番サシにがんじがらめにされていた。
ケインラグビー


チュニジア13
         前半にPKを決めて大喜びのサシ

この数々をファウルに取らない審判をイギリス国民はTwitterで「サッカーなのにラグビーが見られる!」とジョークにしていたが憤慨していなかったのは、きっとケインが決めてくれると信じていたからだろう。最後に絶対決めてくれるキャプテン。まるで漫画だけど、ちょっと羨ましい。

イングランド団子
         団子になって大喜びするイングランドチーム。なにせ若い

 そんな24歳をキャプテンにした監督も慧眼だが、イングランドについては書く機会があるはずだから、また後で。

 

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