東京の土日は外出自粛。徐々にロックダウンに近づいているのかもしれない。マニラはいち早くロックダウンしています。どんな経過で進んだか、どんな風に私がビビり始めたかを備忘録として。よかったら参考にしてください。

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3月9日月曜。
コロナ陽性Positive(以下P)24/死者Dead(以下D)1
朝イチでスタジオ直行。本来自宅で仕事はしない主義だが、ある原稿の締切が近づいていたので週末にMacBookを持ち帰っていた。スタジオ、スタバ、Macを開けばどこでもオフィス。3月末に始まるキャンペーンを2つ抱えているので仮編、カラコレ、本編MAが今週は続く。
●学校が3月10-14日休校と発表される。
働くお母さんが多いのでその間どうするかが話題に。ヤヤさん(ベビーシッター)をすぐに手配できる家はいいが、そうでもない場合は旦那が休んで面倒をみるケースが多い。なぜなら奥さんの方が稼ぎが良かったりするから。実にフィリピンらしい。

3月10日火曜。P33/D1
テストキットが足りない、ここまで早く広まるとは想定外、との記事。確かに2月は平穏に過ぎたからなあ。午後社員ににストラテジーのチーフから、Microsoft Teamsの使い方をレクチャー。みんな新しい仕組みに興奮している。
帰りに社員に何が起きるかわからないから毎日PCを持ち帰るようにと告げる。私もMac抱えてスタジオへ。夜遅くまで編集。今日も泳ぎたいが泳げない。

3月11日水曜。P49/D2(#35)
フィリピンでは、陽性患者に番号をつけてその人がどのエリア出身か、渡航歴はあるか、どんな既往症を持つかを公開している。その#35が死亡した。
Screen Shot 2020-03-28 at 11.35.06 AM
DOH(フィリピン保健省)のデータを新聞社が整理。わかりやすい
フィリピン人初の死者である。動揺が凄い。弊社フィリピングループでも、翌木曜日に
WorkFromHome(リモートワーク。以下WFH)を一日試行することに。休み!とはしゃぐ社員もいるがそうじゃないと諌める。13日までに東京に国際郵便で送る書類があるが、総務系は慌ただしいし金曜でも間に合うかとタカをくくる。数日後たいへん後悔する。HR(人事担当)がみんなにPCを持ち帰るように指示。帰宅して夜のプールを一人ガシガシ泳ぐ。今宵は私の貸切。

3月12日木曜。P52/D5(
#6,5,37が死亡) 
WFH 初日。朝から午後3時までTeams を使ったテレカンが続く。やばい。トイレにいけない。ご飯を食べ損ねる。化粧も最低限しておかないと失礼だろ(これは私の問題)。やってみてわかったこと。自宅がWifi 環境でない社員が割といること。カフェのWifiを利用してもWFHを始める会社が多いらしく繋がりが悪い。午後数人でビジュアルの打ち合わせをしたが、ダウンロードできない映像を見られない周りがうるさい。各所から問題が噴出する。乗合サービスのGrab, Grab Share が営業停止。翌日から通勤できなくなるという社員が出てくる。私は腰が痛い。
そして世界を騒がす事象が起きたのがこの日。トム・ハンクス夫妻が撮影地のオーストラリアで陽性に。NBAのユタジャズの選手が陽性に。その数日前にコロナなんてへっちゃらとばかりに会見のマイクを触りまくっていただけに騒ぎが大きくなる。結果NBAのゲームも無期延期へ。バスケットボールファンの多いフィリピンではこれは由々しき問題。

夜の部。22時からドウテルテ大統領が会見。マニラ首都圏を3月15日ー4月14日
 ’Community Quarantine' すると宣言する。Quarantine とは検疫のこと。成田空港の出口の脇にあるアレですね。この場合は、コミュニティ隔離と書いた方がわかりやすいだろうか。具体的には
●マニラから陸、空、海(フィリピンは7400の島でできているから船も行き来する)路の行き来は原則禁止
この時点ではまだLockdown(封鎖) とは言わないが、移動できないので徐々にロックダウンし始めている。翌日金曜もWFH 決定。この日からジムもプールも全閉鎖。昨日ガシガシ泳いでいてよかった。本当によかった。ドウテルテの会見は2時間ほど続く。じわじわ降りていくジェットコースターに乗った感じ。怖くて眠れない。赤ワインを2杯あおってMasako強制終了。

3月13日金曜。P64/D5
五月雨式かつ不本意に、WFH 2日目。 おそらく大量の人がWFH にスイッチしたからであろうか、午後からネットの接続が悪くてテレカンも映像なし。通話のみに。Teamsでなく、Messenger、LINE,、Viber通話を相手によって使い分ける。左の耳の聴力が少々悪いため電話での英語は得意でなく疲労度大。画面で口元が見える方が私にはラクなのだ。
●教会の毎週末のミサも中止になる。
敬虔なカトリック信者の多いフィリピン人には、これは痛手のはず。
ショックな記事を見た。中東で人間サニタイザー。悲しくなった。

3月14日土曜。P
111(+47!)/D8(#89,79)

午後1時過ぎにマニラ市幹部による会見。タグリッシュ(Tagalog + English) 語でエネルギッシュにお話しになっている。マニラの人の動きをスローにするんだ。それが狙い。近郊からマニラに入る場合、チェックポイントで所属する組織の証明書がない限り入れない。
Curfew (夜間外出禁止令)を発令する。3月15日ー4月14日の夜8時から朝5時まではいかなる理由でも外出してはならない。
ベトナム駐在時代、明るいCurfew を経験したことがある。それとはレベルが違う。怖い。え。Lockdown と言いました?どうやらロックダウン決定。

ロックダウン:具体的には以下を意味する。(一部重複します)
●4月14日まで1ヶ月間全域の居住者は自宅待機●医療関係者や食料品などの供給業者などを除く一般市民は通勤や外出の禁止● 一般市民は夜20時から朝5時まで外出禁止●街中や主要な道路に警察や軍によるチェックポイントを設置、監視。違反者には逮捕もあり
Screen Shot 2020-03-28 at 9.03.42 PM
        
チェックポイントで体温を測っている
●公共の交通機関(含むGrabなどのシェアライド)の完全ストップ●国内線飛行機ストップ●生活に必要なスーパー、薬局、CVSを除く、全ての施設(モール、レストラン、オフィスビル、銀行、映画館、コンサートホール、スポーツ施設、政府機関など)の閉鎖●オープンしているスーパー、薬局、CVSへの入場人数の制限の実施。営業時間の短縮(夕方17時ぐらいに閉店)
MMDA 幹部

記者からの質問を笑顔で交わすこの幹部が、後日陽性になろうとは誰も知らない。

果たして夕方から、明日から外出できない。どうする?飲みに行く!?あの店は?がLINE を飛び交う。ビビリの私は家に留まりソファに寝そべって漫画を読むことにする。たった6日間で私の心は一回り縮んだ。

*これを書いたのは3月30日です。状況は変わっています。