ロナウド劇場、最高。深夜にライブで観てあまりに面白かったので、午前中に再放送を。半日で同じ試合を2回観るなんて初めてですよ。

6月15日 俺様ロナウドを支えた男たち
ポルトガルースペイン 3−3 ソチ

 大した男である。クリスティアーノ・ロナウド(以下ロナウド)。コイツがなんかやらかす感は、ポルトガル国歌斉唱の時から感じられた。先発メンバーがみんな正面向いてマジ顔で歌っているのに、ロナウドだけは右30度斜めを向きハツラツと歌っている。この人の顔は正面から見るといかつくて怖いが、左から撮ると意外と美しい。見つめる先に誰か気になる人が居たのか国歌斉唱時のカメラの動きと角度を計算していたのかどうかはしらないが、やはり一筋縄ではいかない感がある。
ロナウドキック

 結果は3−3の引き分け。3点全てをゲットしたロナウド、W杯初戦からハットトリック達成である。開始4分もらいに行ったPK(ペナルティーキック)で1点。前半終了間際の2点目は横からのこぼれ球を利き足じゃない左足でさらりと決める。3点目は後半終了間際のFK(フリーキック)。ボールは優美な奇跡を描いてネットに吸い寄せられた。スペインもディエゴコスタの2点とDFナチョの見事なミドルシュートで3点を記録。
ロナウド結弦1
ロナウド結弦2
ロナウド結弦3
        
フリーキックを決めた後、ロナウドが魅せる羽生結弦ジャンプ

 ALLスペインvsロナウド単独のように見えた試合だが、内容はちょっと異なる。ポルトガルースペイン戦の試合データを見てみよう。ボール保持率は32:68。パス成功率は85:91。パスの総合数は330:692。以上よりボールをくるくる回して試合を支配していたのはスペイン。さすがパスサッカーの国である。面白いのは次の数字だ。チームの走行距離は102.49km : 102.93km とあまり変わらない。つまりスペインがボールをこぼすレアな機会を待って、ハイエナのように走りまくる選手がいるということだ。

 もともとロナウドはよく走るので有名だが、今回目立ったのは5番のラファエル。DFでありながらゴール前まで走ってはボールをロナウドにパス、右に左にボールを取りに行っては一人おいてロナウドに繋げている。個人記録を見ても、パスの成功数はチーム内ダントツ。ドリブルもクロスも正確に決めていて、あまりポルトガルらしくないサッカーをする。

ラファエロ

香川と同じドルトムント所属の24歳。フランス生まれのフランス育ち。現在のドルトムントでは、その運動量と動きの正確さからサイドバックからインサイドハーフ、時に両サイドアタッカーと大活躍している。フィールドでは大きく見えたが身長は170cmと小ぶり。ポルトガルがどこまで勝ち続けるかは、ラファエルによるところも大きいと思う。

 今回、意図せずロナウドを支えてしまった男がスペインにも二人いる。最初のPKのきっかけを作ってしまったレアルの同僚ナチョと、ロナウドの背中を両手でど突いてファウルを取られFKを与えてしまったピケだ。ロナウドがFKを決めた後、カメラは容赦無くピケの哀しそうな表情を捉えた。いつだって主役が輝くには、脇役が必要だ。