タグ:ベッカム

11月21日 タレントが湧き出てくる国
 イングランド6ー2イラン 

 決してイランが弱かったのではない。FIFAランキング 20位で日本より上だ。イングランドが強すぎた。暫定監督から始まったサウスゲイトの指導下で、前大会2018を4位で終え、EUROでは準優勝とイングランドは着実に強さを増している。今回のメンバーは2018を経験した選手が11人もいる。きっとケインやマグワイヤが2−3点ずつ取るだろうと予想していた。

 攻め続けるイングランドをイランが抑えて膠着状態の前半、続くゴールラッシュの口火を切ったのは35分ベリンガムのヘディングだった。見事にネットを揺らした後、不敵の19歳は笑うこともなく両手を上げてビクトリーポーズを見せた。W杯デビュー戦で最初の点を取った彼は、ドルトムント(以前香川がいたドイツのチーム)の大黒柱でもある。2点目はサカ。やはり彼も初
W杯でゴールを決める。21歳。
ベリンガム

ベリンガム。イケメンの186cm ©️ゲキサカ
 
 3点目は
W杯3回目のスターリング。常連だがW杯では初ゴールだ。4点目は再びサカが決めた。所属するアーセナルのホームのように得意のドリブルから低めのシュート。5点目はサカと交代で入ったラッシュフォードが、入った直後に決めてベテランの意地を見せた。最後の6点目は、俳優顔の27歳グリーリッシュが右足を振り切った。アシストをしたのは1点目を決めたベリンガム。つまり6点中4点はチームで下から若い二人が確保したことになる。出過ぎる杭は、みんなが伸ばす国。

 こんなに強いイングランドは久しぶり。56年ぶりの優勝もあり得るかもしれない。ベリンガムの
W杯と言われるかもしれない。そうそう、観客席で立ち上がって喜んでいたベッカムの茶色いスーツが素敵だった。どなたかブランドをご存知でしたら教えてください。


 
7月7日 今なぜイブラ対ベッカム?
スウェーデンーイングランド 0−2

 シンプルなゲームだった。先制点を取って盤石の試合運びを見せるイングランドとロングパスに頼るだけのスウェーデン。主将ケインをペナルティーゾーンで見る回数も少なく、より多くのプレイヤーに機会を与えていたように見える。実際ゴールゲッターは、初代表のDFマグワイアと22歳のMFデレ・アリ。後半の交代投入は、デルフ、ダイアー、そして20歳のラッシュフォード。もうテストマッチのノリである。
IMG_2541
    先制ヘディングを決めたマグワイア(右)とストーンズ(23歳)
IMG_2542
   後半14分にダメ押しのゴールを決めたデレ・アリ
 
 そんな試合の裏で、両チームの先輩たちが火花を散らしていたことをご存知だろうか。ことはイブラヒモビッチがベッカムに対して送ったツイートから始まった。「Yo、ベッカム!もし、イングランドが勝ったら、俺は君がディナーを奢るぜ。世界中のなんでもいい。でも、もしもスウェーデンが勝ったなら俺が欲しいIKEAの商品を何でも買ってくれ。OK?」

 対するベッカムは「イブラヒモビッチ、もしスウェーデンが勝ったら君がLAギャラクシー生活で住むマンションに必要な全てをIKEAで買ってやる。でもイングランドが勝ったら、君にイングランドのゲームを見てほしい。イングランドのユニフォームを着てウェンブリー競技場で。そしてハーフタイムにはフィッシュ&チップスを楽しむんだぜ」そんなカケが始まったわけだ。

 
43577_ext_04_0

 なぜベッカムがイブラのイングランド体験にこだわったか。理由は2012年11月14日に遡る。この日スウェーデンーイングランドの親善試合が開かれた。結果はイブラ一人に4点取られて負けるという歴史的屈辱もの。それだけにベッカムは、再びイングランドの負けを期待するイブラにひと泡吹かせたかったのだろう。
 
 そしてイングランドは勝った。普段の70%の力で。イブラがウェンブリーでフィッシュ&チップスをつまんでいる姿を見てみたい気もする。

 おっと、またサウスゲート監督について書く機会を逸してしまった。続きは次回。

↑このページのトップヘ