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悔しかったですね。しばらく眠れなくて悶々としてたら28時からの韓国ーブラジル戦がキックオフ。PKって、もうサッカーというより哲学だと思います。そして4年後に向けて希望を持つ自分がいます。

12月5
日 泣いていいよ、三笘 
     日本1ー1クロアチア(PK1−3)

 「PKを外すことができるのは、PKを蹴る勇気を持つ者だけだ」と言ったのはロベルトバッジオ。日本では創価学会員という肩書きで有名かもしれないが、彼はイタリアの名FWで、1994年アメリカW杯決勝でPKを外したことで世界に名が知れた。

 日本代表は、本当によくやった。前半8分のピンチも6人が体当たりで権田をカバーした。無駄に走るだけと揶揄されてきた前田大然がやっとゴールしかも、前半終了間際に先制点を決めてくれたのも、心から嬉しかった。あの眉と目が細いツルッとした頭を持つ存在が迫り来るのが、外国人にとってどんなに怖いかを、私たちは見落としている(これはマジ。スコットランド人が言っていた)。鎌田も遠藤も攻撃的だった。ペリシッチに決められた同点弾は、教科書に書かれたようなヘディングで、入れられてもしょうがない。そもそも予選リーグで敗退すると予想していたのに、ジャイアントキリングを2回も見せてくれて、ここまでワクワクする時間をくれたのだから、日本代表にはお礼を言わなくっちゃ。

 1-1の同点延長のまま迎えたPK戦。これは負けてもやむなしと断言しておく。相手は延長線とPK戦においてはプロ中のプロと言っていいクロアチアだ。2018年ロシア
W杯では8強に入る際にPK3-2でデンマークを。次のロシア戦ではPK4-3で勝ち抜き4強入りを決める。準決勝では延長でイングランドを2-1で叩きのめした。決勝戦でも延長となり、ここではフランスに優勝カップを譲る。世界中が注目する中でいじられることに、クロアチアは慣れている。2018年に続き、PK戦を制するマインドをチームに叩き込んだダリッチ監督は、ビジネスにおいても成功するんじゃないか。前日のPK練習に時間を費やしたGKのリバコビッチは「PKを3本ストップしたことは、私のキャリアの中でお気に入りの瞬間の一つになる」とコメントした。ちなみにW杯で3PKをシャットアウトできたGKは世界に3人しかいない。最初は2006年イングランド戦を防いだポルトガルのリカルド(拙稿7月1日悲しいかな、世代コータイ参照)。そして上記の2008年対デンマークを抑えたクロアチアのスバシッチ。そして今回のリバコビッチだ。
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 ゲームが終わり、三笘はピッチで涙していた。そして試合後の個人インタビューで号泣する。それが後半入って点を取れなかったことに対してか、PKを外したことに対してなのかはわからない。バッジオは「成功したPKは忘れられるが、失敗したPKは永遠に忘れることができない」とも言っている。その涙を忘れずに、4年後リベンジしてくれたらいい。スペイン戦で1mmの奇跡を勝利への軌跡に変えた三笘には、ビッグクラブからのオファーが殺到するはずだ。そんな男が大泣きする映像も世界的には衝撃的だろう。思いっきり泣いていいよ、三笘。ただ成田空港には、笑顔で戻ってきてほしい。
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慰める田中碧と川島(涙)よく見ると川崎フロンターレファミリー



遅くなりました。ああ、もうすぐオーストラリアーオランダ戦がはじまっちゃう!

6月18日 途中交代の男たち
○ロシアー韓国 1:1  クイアバ
 
 56分からゲームが始まったようだった。パクチュヨンと交代したイグノがネズミのように走り、ボールの動きが早くなった。流れに乗って68分イグノは先制点を決める。若い頃のなべやかんに似ているイグノ、以前ジュビロ磐田とガンバ大阪でプレイしたことのある選手でガンバではゴールを量産していた。今はKリーグの尚州尚武という軍隊所属チームの所属であり、身分は軍人。韓国の友人によれば月給は1万5千円程度。かたやパクチュヨンは、2006年、10年のW杯に連続出場したエースでかつてはあのアーセナルに所属したことがある。今年の3月英紙Telegraphで、ヴェンゲル監督下におけるワーストイレブンに選ばれちゃったりもした(因みに稲本やフランスのスキラッチも選出されていた)。韓国内でも「なぜ奴が今年選ばれたんだ」とWEB上でも叩かれまくった彼が、月給1万5千円の男にとって変わられたものだから、今日の韓国紙の見出しは想像するに難くない。74分ロシア側でゴールを決めたのはケルジャコフという、こちらも途中交代の選手。試合終了後、ロシアのカペッロ監督(今はここにいたのか!)も洪明甫監督も「勝ち点1をとれて満足だ」とインタビューで穏やかに話していたのは選手采配に安堵していたせいだろうか。

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