ホーチミンには季節が2つある。雨季と乾季だ。同じベトナムでも北に位置するハノイには、かろうじて四季があるが、ここは一年中暑いなか、湿り気があるか、ないか。

 11月第2週あたりから毎日のスコールが止まった。夜も気温がなかなか下がらない。市場に並ぶ青っぽかったトマトも、ようやく赤に戻った。そして私は3日に一回眉毛(&ときどき鼻毛)をカットしなければならなくなった。私的には乾季到来のサインだ。

 なぜ私の眉毛が伸びると、乾季なのかを説明しよう(大げさだな)。それにはもう一つの登場人物のことも説明しないといけない。クルマとバイクである。

 ホーチミンでは
今年1−10月で41,774台のクルマが新規登録された(ベトナム紙トイチェtuoi tre調べ1日あたり平均139台の増加。去年が1日100台であることを考えると飛躍的な伸びだ。ちなみにバイクも合わせると、1日900台の登録である。

 クルマとバイクが増える→渋滞発生→アイドリングする→空気中に窒素酸化物NOxと粒子状物質(いわゆるPMね)が飛ぶ→毎日雨が降る雨季だと、空気の汚れもいったん洗い流される→乾季になると容赦なく
飛びまくる物質から防御するために、私の眉毛と鼻毛は伸びる速度が速くなる。

 ってなわけだ。ホーチミンにいらした方はご存知だろうが、毎日バイクで通勤する人たちがかけている布製マスクの柄のカラフルなこと。あれはファッションではなく、空気汚染からの防御なのですよ。気合の入った御仁だと二重にかけるらしい。

 少し前に、宮川大輔さんとケンドーコバヤシさんがお笑い行脚公演「あんぎゃー」のためホーチミンにいらしたが、宮川さんはお土産にこのマスクを沢山購入されたそうな。目の付け所がさすがです(たぶん日本で柄のことをネタにしていると確信しているが)。

 3日に一度眉をいじるなんて色気づいたヤンキーの中学生みたいだが、見苦しくなく生きてゆくにはしょうがない。

         
BMWi8

 写真は、某ホテル前に泊まっていたBMW i8。 BMW 発プラグインハイブリッドのスポーツカーである。ホーチミンに増えるクルマは、このタイプにしてほしいわと私の眉が申しております。